前回に引き続きソビエト映画です。

公開時驚異的な動員を記録し、本国のみならず世界中(日本でも)でカルト的な人気を誇る脱力系SFコメディ。そのせいなのかどうか、ロシア(ソ連)映画にしては珍しく、4つの配信サービスで提供されています。
あらすじは公式サイトからどうぞ。
冒頭、砂漠の映像のバックグラウンドで流れるテーマ音楽に時々差し込まれる「クー」からすでに脱力感が漂います。
当時の政治体制を風刺していると思われる描写はたくさんありますが、難しく考える必要はなく、とにかくゆる〜く楽しめる作品でした。
技師のマシコフと「バイオリン弾き」のゲデバンもさることながら、チャトル人ウエフとパッツ人ビーを演じたエフゲーニー・レオノフとユーリー・ヤコブレフがすごいわと思っていたら、<人民芸術家>(ソ連的!)として表彰された俳優だったのですね。
ビーは一週間前に見た『イワン・ワシリエヴィチ 転職する」のイワン雷帝を演じた人、というのはすぐわかりました。ウエフも最近どこかで見たなと思って調べてみたら、『チャイコフスキー』で打たれ弱いチャイコフスキーを支える従者を演じた人でした。あ〜スッキリした。お二人ともすでに亡くなっているようです。
苦味ばしったいい男のマシコフを演じたスタニスラフ・リュブシンは92歳で健在。ちょっと盗癖のあるゲデバンを演じたレバン・ガブリアゼは監督になったそうで、時の流れを感じます。
それはそうと、最初に靴下をあげた異星人は、あの時別の場所に移動したんでしょうか。突然現れてびっくりしましたよ。などなど、一度目では不明だった点もいくつかあるので、また確認してみようっと。
ウエフとビーもかなりムカつきますが、一番不気味だったのは監視員エツィロップ(後ろから読むとポリツィヤ)ですね。にっこり笑って金品を巻き上げ、マシコフを叩きのめす。当時の警察に対する風刺なのかと思いますが、ポリツィヤは外国の警察を意味するんですよね。これはどんな意味だったんだろう。
さて、ロシア語学習者としては、どれだけ聞き取れるかも重要なポイント。この映画は半分程度聞き取れました。私にしては上出来です。知っている単語が多かったからですかね。ということは語彙を増やせば、もう少し聞き取れるようになるのかな。